とても風の強い日。
ついにやってきた娘の高校の入学式。
親子三人、式の始まる2時間前に学校に到着。
正門にて記念撮影、その後は早めのお昼ご飯。
腹ごしらえもしっかり出来たところで余裕をもって学校へ。
娘はそのまま教室、私と妻は式が始まるまで少し校内散歩。
創立100年ということだったが、私の母校よりよっぽど施設は整っているし広いし明るい印象。
お昼の1時、晴天。
南向きに建てられた校舎の片隅に学生が一人。
気持ちオタクっぽい風貌。
袖の擦り切れ、飲み物のシミなんて気にしない。
十分にクタクタ気味の学ラン。
緩い天然パーマ、短めの頭髪。
昭和っぽい“銀縁”の眼鏡。
屈んで座ったその傍らにバケツが一つ。
近くまで行って覗き込むでみると“うさぎ”が一羽。
“うさぎ?”
春休みの学校の校庭で少年とうさぎ?
話しかけてみた。
「何をしているの?」
「日向ぼっこです。」
「うさぎも?」
「ハイ、うさぎを…」
「うさぎを日向ぼっこさせるために学校にきたの?」
「生物部なんです…」
「へぇ、部活なんだ…」
明らかに人間と話すより動物に語りかける事を好んでいそうな空気感。話しかけることが申し訳なく思えてきたので、とにもかくにも記念にうさぎの写真を撮らせてもらってその場を離れた。
こういう少年の居場所が排除されずない学校だったらいいのだけれど。
さて、どんな高校生活を娘は過ごすのだろうかな。
【今日のカメラとレンズ #72】
Nikon D7000
Ai AF Zoom Nikkor 28-70mm F3.5-4.5D